介護業界は、スペシャリストと呼ばれる専門家の集まりである。
介護士、看護士、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員など、資格をベースとした各専門職がチームになってケアにあたる。そのため一般的には職種を越えての異動は少なく、専門性を追求する働き方をする人が多い。
一方で、2000年の介護保険制度が出来てから民間企業が業界に参入しており、そういった企業になると、他業界と同じように本社機能があったり、事業拡大に伴いマネジメント職も必要となるため、異動や職種変更があるゼネラリスト的な働き方をする人も居る。
私はどちらかというとゼネラリスト的な働き方で、この業界でキャリアを積んできました。同じ場所に3年以上所属した経験はなく、部署異動、職種変更をしながら色々な立場で介護の仕事と関わってきました。
そのような経験を介護業界で20年弱働いてきた中で振り返ってみると、良い面半分、悪い面半分というのが、正直な気持ちです。
良い面で言えば、自分には何が出来て何が出来ないのか、何がやりたくて何がやりたくない事なのかを自分の言葉で語れる事だと思っています。人間は万能ではないので、得意不得意はどうしてもあり、それは感覚的なものも含めると努力ではどうしようもないと思います。
逆に悪い面で言えば、3年に一度新しい環境で仕事をするという事は、専門性や人間関係の積み上げが他の人と比べると少なく、自分の専門性に自信が持ちにくい事です。新しい環境にいけば、そこでは新人となるので、どうしてもずっとやってきた人にはかなわず、劣等感を抱きやすいのが実感値としてあります。
正直、同じ環境で20年弱やってきた自分自身は想像する事しか出来ないので、そんな自分を満足するのか、専門性に絶対的な自信が持てているのかはわかりませんが、この業界は同じ職種を20年続けている方が多くいるという事を考えると、そういった働き方も素敵なんだろうなと感じています。
私が今もっとも問題だと思っているのは、日本の人事異動には個人の意向は加味されていないという事です。その点について次の記事で触れていきたいと思っています。
ヘルパー・ケアマネ・生活相談員などの転職ならカイゴジョブ。介護職の求人案件が圧倒の30,000件。職種、地域、働き方から簡単検索